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山林・擁壁土地の相続は危険。見えないリスクにどう向き合う?

  • 執筆者の写真: 一般社団法人日本不動産管財
    一般社団法人日本不動産管財
  • 2023年7月11日
  • 読了時間: 2分

更新日:2月4日

土地の相続は一見すると経済的な恵みに思えますが、その裏には大きなリスクが潜んでいます。特に山林や擁壁のある土地は、その特性上、様々な問題が生じる可能性があります。以下に具体的な事例を通じて、そのリスクを具体化しましょう。


事例1: 山林の管理責任 岩手県のKさんは、広大な山林を相続しました。しかしある日、突風により山林内の大木が倒れ、下流の町にある電線を破壊しました。この結果、町全体が停電し、商業損失を含む補償額は約1億2000万円に上りました。


事例2: 擁壁の安全性問題 長崎県のTさんは、擁壁のある土地を相続しました。何年もの間、土地には問題がないように思われていましたが、大雨が降った後、擁壁が崩壊。下流の道路に土砂が流れ込み、通行不能になりました。このため、Tさんは道路の修復費用と擁壁の再建費用で合計3億5000万円を支払うことになりました。


事例3: 山林火災のリスク 富山県のSさんは、山林を相続しましたが、その山林で火災が発生。周囲の集落に被害が及び、Sさんは住民の損害賠償と消防活動費用で約7億円を支払うこととなりました。


事例4: 擁壁土地の地盤沈下 大阪府のMさんは、坂地に立つ古い家とその擁壁を相続しました。しかし、地震の影響で地盤が沈下し、擁壁が倒壊。その結果、家は傾き、隣地の家屋にも被害を及ぼしました。修復費用は2億円以上に上りました。


事例5: 山林の土砂崩れ 山形県のYさんは、山地を相続しました。しかし、大雨が続いたある日、山地からの土砂崩れが発生。下流の住宅地に土砂が流れ込み、数件の家屋に被害を及ぼしました。Yさんは被害の修復費用として4億5000万円を支払うこととなり、さらに崩壊防止のための工事費用も必要となりました。


これらの事例は、相続した土地が山林や擁壁のある土地である場合、その管理や保全に関連する多くの問題や費用が生じる可能性があることを示しています。相続の際には、これらのリスクをしっかりと理解し、適切な対策を講じることが求められます。

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