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保安林とは?その役割と指定基準、解除方法を徹底解説

  • 執筆者の写真: 一般社団法人日本不動産管財
    一般社団法人日本不動産管財
  • 2024年12月3日
  • 読了時間: 3分

更新日:2月4日

森林は私たちの生活に欠かせない資源であり、その中でも保安林は特に重要な役割を果たしています。この記事では、保安林の基本的な知識から、その指定基準や解除方法まで詳しく解説します。森林の保護や活用に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。



保安林とは

保安林とは、森林法に基づき、水源の涵養や土砂の流出防止など、国土の保全や国民の生活環境の維持に重要な役割を持つ森林として、国が指定した森林のことです。指定された森林は、特定の機能を維持・増進するために、伐採や土地の形状変更などの行為が制限されます。



保安林の役割

保安林は以下のような多様な役割を持っています。

  • 水源涵養:雨水を蓄え、安定した水供給を可能にします。

  • 土砂流出防止:土壌の流出や土砂災害を防ぎます。

  • 気候緩和:二酸化炭素の吸収や気温の調節に寄与します。

  • 生物多様性の保全:多様な動植物の生息地を提供します。

  • 風害防止:強風や砂嵐から地域を守ります。



保安林の種類

保安林はその機能に応じて以下のように分類されます。

  1. 水源かん養保安林

  2. 土砂流出防備保安林

  3. 土砂崩壊防備保安林

  4. 飛砂防備保安林

  5. 防風保安林

  6. 潮害防備保安林

  7. 雪害防備保安林

  8. 干害防備保安林

  9. 防霧保安林

  10. なだれ防止保安林

  11. 防火保安林

  12. 保健保安林

  13. 魚つき保安林



保安林の指定基準

保安林の指定は、以下のような基準に基づいて行われます。

  • 地理的条件:斜面の傾斜度、土壌の状態など

  • 環境条件:降雨量、風力、海岸線からの距離など

  • 社会的条件:周辺の人口密度、産業の状況など

  • 機能的要件:水源の保護が必要な地域、土砂災害のリスクが高い地域など

指定は、国や都道府県が調査を行い、必要と判断した場合に行われます。



保安林の規制と制限

保安林に指定されると、以下のような行為が制限されます。

  • 伐採の制限:許可なく木を伐採することはできません。

  • 土地の形状変更:土砂の採取や埋め立て、開墾などが制限されます。

  • 建築物の設置:新たな建物を建てるには許可が必要です。

  • その他:放牧、野焼き、薬剤の散布なども制限対象となります。

これらの制限を違反すると、罰則が科せられる可能性があります。



保安林の解除方法

保安林の指定解除は、以下のような手続きを経て行われます。

  1. 申請:土地所有者が解除の申請を行います。

  2. 調査:国や都道府県が現地調査を実施します。

  3. 審査:指定解除の可否を審査します。

  4. 公告:解除が決定した場合、官報などで公示されます。

指定解除が認められるのは、保安林としての機能が不要となった場合や、他の土地で代替できる場合など、限定的な条件下のみです。



保安林に関する注意点

  • 許可申請の必要性:保安林内での行為には、事前に許可申請が必要です。

  • 補償制度の活用:保安林指定による経済的損失がある場合、補償を受けられる可能性があります。

  • 専門家への相談:手続きや法律については、森林組合や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。



まとめ

保安林は、私たちの生活環境や国土の保全に欠かせない重要な役割を果たしています。そのため、指定された地域では厳しい規制が設けられています。土地の利用や管理を考えている方は、保安林の指定状況や規制内容を十分に理解し、適切な手続きを行うことが重要です。

森林の保護と持続可能な利用を両立させるために、保安林についての知識を深めましょう。


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